「CHIP」にみる、クローズド化するネットコミュニティ

 

CHIP」というサービスをご存知でしょうか。

「CHIP」は、個人が簡単に”ファンクラブ” を設立できるサービスです。今回はCHIPに関連して、ネットでのコミュニティについて見ていきたいと思います。

『CHIP』とは?

CHIPはスマホで誰もが簡単にファンクラブを設立できるサービです。

2018年8月5日からサービスを開始し、3週間でのべ1.5万人のユーザーを獲得したそうです(「3週間で1.5万ユーザー突破!「CHIP」がいいね・検索・ジャンル機能を公開。」)。

CHIP - 誰でも作れるファンクラブ

CHIP – 誰でも作れるファンクラブ

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この記事を書いている2018年9月13日時点では、iOS版のみでの提供となっています。Andoroid版も準備中とのこと。

ファンクラブでは 会費(~10万円)が設定できます。資金繰りが大変な個人クリエイター,アーティストの方でも継続的な資金調達が可能となります。

ファンクラブで何をするかはコミュニティ主に委ねられています。会員しか聞けない裏話や、限定商品のプレゼント、はたまたファンとのイベントなどが実施されているようです。

ネットコミュニティはより「クローズド」へ

キングコング西野亮廣 氏のコミュニティ会員数は1万人。ホリエモンこと堀江貴文 氏の「堀江貴文イノベーション大学校」は会員1,600人と、決して安くはない会費に対して、多くの方がオンラインコミュニティ(ネットサロン)に参加しています。

集合知を最大限に活用できることがネットの利点のひとつです。しかし コミュニティはより閉じた空間へと移行しています。

特定ジャンルの掲示板 ⇨ SNS ⇨ 会員制ネットサロン ⇨ 次は何でしょう??

クローズドの利点

「炎上」の可能性が少ないです。わざわざ会費を払って荒らしに来るアンチは(ほとんど)いないでしょう。

好きなもの,志が同じ仲間が集まれます。エンジニアは何を考えているか『ハッカーと画家』でも触れましたが、良いアイデア,デザインは集団の中で生起します。

コミュニティ主とより近い関係性になれます。会員の中には、これを主目的としている方も多いでしょう。

クローズドは悪か

クローズドに対する批判として、「好きなものだけが存在する”ぬるま湯”に浸かっている」が挙げられます。

個人的にこれは、部分的に正しいという立場です。「部分的に」とは、閉じた空間だけに居を構える という限定条件の下での話です。

閉じた空間では考えや生態が先鋭化されていきます。日本に住む我々が 他文化を完全に理解できないように、地球に住む人類が宇宙では生活できないように(これは例として良くないですね、)

要は、自分に都合が良い真実だけを受け入れる姿勢は良くない

批判を全て聞き入れることは物理的に不可能ですし、どこの誰ともわからない他人の意見に耳を傾ける必要ありません。しかし、自分とは異なる考えがあること自体は認識しなければならないでしょう。

自分はこう考えているし それが正しいと信じている。けど反対意見があることも確かで、彼らの意見はこうだ。

多様性の受用ですね。

クローズドの中に身を置くことで仲間を獲得したり、自身の成長にも繋げられることは確かです。しかし同時に 一歩身を引いた客観的な自分をもつことも重要だと考えます。

まとめ

最近数を増す、オンラインコミュニティに対する自分の意見を述べました。

ネットが普及した現代を生きる我々は、様々は価値観に触れることが容易で、多様性を受け入れる土壌が育まれています。

だからこそ クローズドだけに身を置かず、多角的な視点をもつことが大切でしょう。

・・・

誤解してほしくないのは、CHIPが提供するサービスは革新的で素晴らしいと考えています!

資金的にはもちろん、自分を応援してくれるファンとの関わりによって、自身-ファン 双方が利益を享受できるでしょう。

「才能があって努力もしているけど、環境やお金が原因で夢を諦めざるを得ない人も少なくない。ニッチな領域だと注目を集めるのが難しいなど、活動しているジャンルにも左右される。お金になりやすいとか、人気を集めやすいジャンルとか関係なく、アーティストやクリエイターがもっと自由にチャレンジできるようにしたいと考えた」(RINACITA代表取締役の小澤氏)

スマホから誰でも気軽にファンクラブを作れる「CHIP」(Tech Crunch)

個人がチャレンジできる環境が整ってきていますね!