心地の悪さを心地良いと感じるべきなのはなぜか(TED)

 

ラヴィー・アジャイは、真実を語ることの不安に対して呼びかけます。

「恐れには独特の作用があり何も言わない状態は心地よいけれど、最初の一歩を踏み出し ドミノを倒すきっかけになろう。」

概要

ラヴィー・アジャイはプロのトラブルメーカーを自称します。世の中の歪な社会構造や、思考停止状態の人々を批評する批評家です。

誰もが思っていることだけれど、これまで誰もが発信しなかった事柄を率先して批評します。ドミノ倒しの1つめの駒となることで、多くの人が発信をはじめ、社会を揺り動かすことができると述べています。

誰しもがドミノ倒しの1つ目の駒になるべきだと、彼女は述べます。短期的な結果を恐れて何も発言しないことは良くない、何も言わない状態は心地よいけれど、心地悪さを心地よいと感じるべき。「心地よさ」は過大評価されている。「心地よさ」は現状維持しかもたらさない、と。

ラヴィーは自分が発信することについて3つの確認をしているそうです。「本気でそう思うのか」「根拠はあるのか」「愛を込めて言っているか」。答えが全てイエスならやるべきです。

現代社会では、恐れを覚えず自分のありのままの姿でいることは「型破り」だとされます。しかし、真実を語ることが「型破り」であってはいけません。誰しもが真実を発信するべき、として講演はまとめられています。

 

情報の発信が世界を変える

ネット・SNSの発展で、個人の意見が大勢の人の目に触れるようになりました。もちろんそれが真実である保証はありませんし、発信者のバイアスがかかっていることは確かでしょう。誹謗中傷が増したという負の面はあります。

しかし自分とまったく異なった価値観や考え方の人の思考を、自分の中に取り入れることが可能となりました。多様性を受け入れることができる土壌が、自分の中に作られたと感じています。

このように個人の発信力は馬鹿になりません。個人の発信は、 #MeToo運動や働き方改革に繋がっています。

共調性を是とする日本で、ラヴィーのように振る舞うことは難しいでしょう。損な役割だと感じてしまうのは当然です。しかし一個人の発信が、世界・社会構造を変え得る原動力となります。


この記事を書いていて、MGS2 S3計画を思い出しました。「コンテクストの生成と、個人にとって都合の良い真実」今度別記事で取り上げたいと思います。