AI人格のペルソナとは

 

前回の記事で、2018年現在のAI感について自分の考えを述べました。

その中で触れたAI人格について、今回はもう少し掘り下げてみます。

AIの人格

前回の記事では結局、私達はAI人格に対応できるか に焦点を当てていました。今回はAI人格そのものを考えてみます。

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AI人格はどのように成立するのでしょうか。

現在技術では、AI自身が人格を形成することはありません。外部から規定されることで、模擬的な人格が形成されます。Microsoftのりんなは、女子高生の人格を与えられています。(本当に女子高生を再現しているかは置いておいて)

私達は他人に、キャラクター化を要求します。医者,政治家,プロスポーツ選手のペルソナが存在しています。従って、「医者にしては…」などと評されることもあるでしょう。こちらの記事(Gigazine)によると、カスタマーサポートの写真だけでも、寄せられるメッセージが異なるそうです。

AI人格はまさに、私達,自分の理想を再現してくれる存在です。理想の恋愛対象も将来的には容易に生み出されるでしょう。

ブレードランナー2049では、レプリカントである主人公Kは、ジョイというホログラフィーAIを有していました。

ジョイはKの気分を察して衣装や態度を変更することが可能で、Kの恋人以上の存在として描写されています。

 

現段階でもGateboxという「俺の嫁召喚装置」は存在します。が、あくまで開発者から与えられた単独の人格を与えられているに過ぎません。

ジョイには至らずとも、それに近い存在は 今後10年で出現することでしょう。家族,コミュニティのあり方が大きく変容するかもしれません。

 

AIはどのように人格を獲得するか

心は外部から観測できません。チューリングテストをクリアするAIが出現しているように、設計されたAIに対しても、私達はそれらに人格を見出します。

と、ここまでが現在の技術。設計ではなく、人格の自発的獲得はどのようにすれば良いのでしょうか。

記号創発ロボティクスによると、人間と同様のセンシング機能をもつロボットは、人間と同レベルで物事を判別する能力を獲得できたようです。

同様の方法で、人格についても 設計ではなく 教育で獲得させることは可能なのかもしれません。

しかし、AIには「社会的常識」が存在しません。社会的常識を組み込むことも可能でしょうが、設計との線引が難しいですし、開発者の考える社会的常識や倫理観に任せるのも危ういでしょう。

 

どこまでを常識・個性として設計するか、どこからを学習・パーソナライズ化させるか」今後のAI人格を考える上で重要になってくると思います。