言葉での商品説明は難しいことがあります。
「なんとなくこういう感じのものを買いたい」とフワッとした購入動機の場合や、衣服,家具をデザインから選択する場合ですね。
Amazonは『Scout』で、家具や家の装飾のような視覚的なカテゴリで好みを選択できるサービスをテスト中とのことです。(CNBCより)
Scout
Amazon『Scout』は、現在 本国Amazonサイトでのみテストされています。
「〇〇が欲しいけど、具体的に商品までは選定できていない。」
こういった類の商品は、大抵 受動的に情報を得て 購入に至る場合が多いように感じます。もしくは実際に店舗に赴いて発見でしょうか。…出不精の管理人は、買い物の「発見の楽しさ」から遠のいています。
仮に商品カテゴリがわかったとしても、ショッピングサイトで検索すると、何らかのソートに沿って結果が表示されるため、結局上位に表示される商品を選択する場合がほとんどです。
一方ビジュアル検索では、外見の好みから商品を絞っていきます。Like or Dislikeの二択を選択すると、表示される商品がどんどん入れ替わります。
技術的なバックボーンを見ると、画像からの特徴量抽出がかなりの精度で実施できているということですね。
直感的でわかりやすいUIはさすがのAmazonです。是非ともAmazonJPでも取り入れてほしいですね。擬似的な買い物の発見の楽しさに繋がる予感がします。
ビジュアル的な絞り込みとは異なりますが、書籍,漫画,ゲームなどでも、こういった発見の楽しさを体感できるサービスがあれば面白そうだと感じました。
「Honz」などの書籍紹介サービスが一種なんでしょうけど、もう少しパーソナライズ化されたサービスが良いですね。オススメされた物を欲しくなるのは確かです。しかし皆が読んでいる人気商品はちょっと…、と感じてしまうのは人間の性でしょう。
ビジュアル選別との違いは、好みの適合でしょうか。ビジュアルの好みは統一的でも問題ありませんが、書籍だと 段々好みが先鋭化してしく恐れがあります。
どこかで全く異なる好みを入れるような調整が好ましいでしょう。
既存サービスに似たような機能はあります。「この商品を買った方は、こちらも買っています」「貴方の好みと似た動画はこちらです」
しかし結局単独のサイトが収集できる情報をもとにしたレコメンドですので、限りはあります。
そういう意味で、グーグル,アップル,Facebookは強いですね。個人の多角的な情報を取得できる優位性は中々崩せません。
今 少し話題になっている情報銀行も、個人を多角的に捉えることが主目的でしょう。企業間の連携、プライバシーの問題があって中々難しそうですけどね。初期段階で 情報漏れなどの懸念を払拭することは容易ではないでしょう。
私自身はサービスを享受できるなら、個人情報を売ることに抵抗はありません。
「検索」の将来
今のところ、ネットでの検索は自然言語を用いるものが大半を占めます。色や価格帯から絞っていくサービスはあるものの、機能やデザインは言語で検索することができません。
買い物だけでなく、ネットでの調べ物も 今後言語から別媒体に変化するのでしょうか。
ビジュアル,言語からの発展形は脳内イメージの抽出…でしょうか。
それすなわち記憶の外部保管が可能になると同義ですね。将来的に、人間の「知識」による能力差はなくなるでしょう。
獲得できる情報に差異がなくなった場合、個性,イデオロギー,アイデンティティがどう変化するか非常に興味深いです。
まとめ
Scoutの話題から大きく逸れてしまいましたw
ビジュアル検索によるショッピングは、今後のトレンドになると個人的には感じています。
(今は下火ですが)Google Lensやスマートコンタクト等と、特徴量抽出技術がちょうど技術的に成熟した今現在が、技術元年となるのではないでしょうか。