映画『SING』感想(ネタバレあり)

 

週に一本は映画を観よう!

今回は日本では2017年に公開された、映画「SING」の感想です。

ハッピーなれる映画は素晴らしい!

吹替版で観ました。とにもかくにも 皆 歌がうまい!

本物の歌手の方が担当しているミーナ(MISIA)、ジョニー(スキマスイッチ 大橋卓弥)はもちろん、マイク(山寺宏一),アッシュ(長澤まさみ),ロジータ(坂本真綾)、皆さん大変すばらしかったです。坂本真綾さんは音楽活動もされていますしね。

吹き替え声優は何かと言われることが多いです。しかし この映画では一切気になりませんでした。最初主人公 バスターが内村光良さんだとも気付かなったほどです。全員キャラにマッチしていました。

簡単なあらすじ

主人公バスターは劇場の支配人。しかし客の入りは悪く、経営難に陥っています。新しい劇場の演目として歌オーディションを開催することに。賞金は手持ち1,000ドルのはずでしたが、手違いで10万ドルと記載され、街中の話題となりました。大勢の受験者の中、三者三様の背景を抱えた動物たちが合格します。10万ドルの当てはどうするのか、コンテストの顛末は…?

 

↓ 以下、作品のネタバレを含みます。


大変ハッピーな映画でした! 先週のナイスガイズ!もそうですけど、ハッピーになれる作品は大好きです。

とにかく主人公バスターがポジティブなんです。碇シンジ君とは真逆の超前向き志向。見ていて気持ち良いですね。何があってもクヨクヨしない。だからこそ、事務員ミス・クローリーと友人エディは彼と共にいるのでしょう。(10万ドルはミス・クローリーの失態ですが笑)

起死回生の一手で 歌のオーディションを決行したバスター。結果的に、合格者は全員素晴らしい才能の持ち主でした。バスターは才能を見抜く支配人としての腕前は確かなようです。

オープニングが印象的でしたね。「齢6歳で宇宙飛行士になる夢をドブに捨てた。」自分の好きなことに全力を尽くすバスターを見習いたいです。そんな彼を父親が全力でサポートします。子どもの好きなことを応援してやれる親御さんは素敵ですね。

そんなバスターも、父親が汗水流して働き 購入を援助してくれた劇場が崩壊した際は、さすがに意気消沈。そんなとき彼がこれまで導いてきたコンテスト合格者が、彼を心配して訪ねてくれる場面でホッとしました。10万ドルが本当はないことに腹を立てそうなもんですけど(実際に、コンテストがきっかけで彼に振られたり、生活が変わった者もいました)、全員が自分を変えるチャンスを与えてくれたバスターには感謝しているんです。

その後 バスターは父親と同じく洗車屋としてイチからスタートを再開します。そこでもミス・クローリーとエディは、彼と共に居てくれました。バスターに理解者が居てくれて本当に良かったと思います。ミス・クローリーとエディも、逆にバスターの存在に助けられているからこそなんでしょうけどね。

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コンテスト合格者で特に印象に残ったのが 主婦のロジータ。最初の主婦業の場面で、日々の生活に追われ 家庭に埋没している場面で泣きそうになりました。旦那さんは決して悪い人(豚)ではないのですが、旦那は旦那で激務に疲れ果てており、彼女のことを気にかける余裕もありません。ロジータは決して不幸ではないでしょうが、暗澹とした気分で日々を過ごしているのでしょう。

そんな中、自分を変えるためにコンテストに挑戦します。主婦業は全て機械に任せるのでした。この場面のロジータが有能過ぎて笑ってしまったのですが、逆に言うと 彼女の日々の仕事はルーチンワーク化しているんですよね。日々に変化が全くない。

自分に自信が持てないロジータは、感情の赴くままにパフォーマンスする相方のニックにはついていけません。ダンスをマニュアル化して対応しますが うまくいきません。しかしスーパーの BGMに合わせ、自然に踊れるようになってからは彼女に不安や迷いは感じられませんでした。抑圧された生活からの開放が、あえて主婦に縁近いスーパーで発散させられたことも印象的でした。

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ストーリーの本筋から離れたところでは、CG技術が印象に残りました。アップになったときの毛並みの表現,なびくスカート,表情の機微な変化も細部まで 3D CGで描かれていました。アニメーションという利点を活かした大胆なカメラワークも良かったですね。心象風景と映像もリンクしていました。

ところで、ネズミのマイクは最後どうなったのでしょう。彼女とクマから逃げて以降 登場しませんでした。見返すと最後の集合写真にも居なかったようです。まさか食べられた、というブラックな顛末かと思い調べてみると、『SING』は既に続編が決定しているんですね。こちらへの伏線となっているのでしょう。食べられていないとは言い切れませんが(笑)


挫折を乗り越えていくサクセスストーリーもの としてストーリーに目新しさはありません。しかし「ショー」という素材を活かした、クライマックスのパフォーマンスは一見の価値ありです。

「人生は一度きりしかない。」鑑賞後に全力で好きなことを楽しもう!と思えますね。

管理人のおすすめ度:☆☆☆☆★ 4/5点!!