映画『ミッドナイト・イン・パリ』感想(ネタバレあり)

 

週に一本は映画を観よう!

今回は日本では2012年に公開された映画、「ミッドナイト・イン・パリ」の感想です。

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※管理人が鑑賞したときは無料で公開されていましたが、無料対象は定期的に入れ替わるため注意してください

映画の素晴らしさを再認識

すっごく面白かったです!!

台詞回し,ストーリー,BGM,情景,すべてが最高でした。もうね…オシャレでね、「人生の肯定」というテーマも管理人にドマッチしましたよ。

「魔法にかけられて」もそうなんですが、ファンタジーコメディというジャンルが大好きみたいです。

脚本、監督のウディ・アレンの趣味全開!という感じでしたが、逆にそれが映画としてばっちり嵌った格好でした。

94分という上映長さもちょうど良いですね。

 

簡単なあらすじ

主人公ギル・ペンダーは映画脚本家。売れっ子で収入は十分。婚約中のイネスとパリに訪れています。ギルは処女小説を執筆中ですが、いまいち筆が乗りません。

パリはギルの憧れの街です。とりわけ1920年代のパリがお気に入りの様子。ベル・エポック(古き良き時代)を1920年代に見出しています。当時のパリは文化の中心地。禁酒法を逃れたアメリカ人も多く滞在していました。その中にはヘミングウェイなどの著名な小説家もいました。

実際のパリの町並みはポイ捨てやスリの多さが語られることも多いですが、本作で描かれるパリは一貫して「麗しの都 パリ」。

イネスとその家族は 高級志向で、ギルのパリへの、そして小説家への熱情を理解しません。イネスはギルに小説ではなく、本業の脚本に集中してほしいと感じています。

ギル曰く「雨のパリの散歩は素晴らしい」のですが、イネスは「濡れるだけで、どこが素敵なのか」と一蹴します。

 

パリ滞在中、イネスの友人ポール夫妻と偶然出会います。インテリぶるポールにギルはうんざり気味。一方イネスはポールの講釈に熱心に耳を傾け、あまつさえギルを放ってポール夫妻とダンスや食事に出かけます。

ひとり夜のパリの街を酔っ払って散歩するギルの前に、古めかしい車が通りかかります。半ば強引に車に乗せられ、着いた先は1920年代のパリ!

そこで数々の文化人と出会うことになったギル。はじめは困惑していたものの、自分の小説をヘミングウェイを介し、ガートルード・スタインに見てもらえることになり有頂天に!

ガートルードのサロンで、ピカソとその愛人アドリアナに出会います。アドリアナの美しさに心惹かれるギル。

現代と過去を行き来しながら、ギルは自分の人生を見つめ直していきます。

 

↓ 以下、作品のネタバレを含みます。


過去の著名人に扮する俳優陣全員が素晴らしかったです。その人が言いそうな台詞回しでニヤッとしてしまいます。

ピカソは頑固で、ヘミングウェイはどこか近寄りがたい印象、ダリは当然奇天烈ですw

ギルが未来から来たことを告白した時、マン・レイが「理にかなっている。君は2つの世界の住人で何ら不思議はない。」の台詞で笑っちゃいましたw

洒落てるんですよねー。格好いいとは違う「洒落てる」が、到るところに散りばめられています。

 

現代で偶然アドリアナの本(日記?)を見つけたシーンも良かったですね。本の「私達は愛し合った」の一節で、過去に戻る前に身だしなみを整え、日記の内容通りのプレゼントを準備するギル。有頂天っぷりが伺えますw

 

過去の著名人はもちろんなんですが、主人公ギル,婚約者イネス、パリジェンヌのガブリエルの俳優陣も素晴らしかったです。

ギルを演じたのはオーウェン・ウィルソン。慧眼金髪なTheアメリカンの出で立ちの彼が、パリに羨望するギルを素晴らしく演じていました。

色々な解説サイトを見ていると、ウディ・アレンの立ち振舞を完全にコピーしているらしいですね。

イネスを演じたのは、レイチェル・マクアダムス。チャーミングな印象の女優さんですが、本作では嫌味な婚約者を演じています。

ガブリエルはレア・セドゥ。登場シーンは少ないですけど、本作を象徴する重要な役割を担っています。ラストシーンの笑顔でやられました。

 

そしてそして忘れてならないのが、アドリアナ演じるマリオン・コティヤール。彼女が出演すると、画面をもっていかれますね。ハスキーボイスもセクシーです。

 

ギルにとってのゴールデンエイジは1920年代。しかし1920年代に生活しているアドリアナは、1890年代にベル・エポックを感じているのです。

さらに過去にさかのぼり、1890年代やってきたギルとアドリアナ。そこでピカソ憧れのロートレックや、ゴーギャンエドガー・ドガと出会います。彼らは彼らで、1890年代が「いかに今の時代が空虚で想像力に欠けているか」と不満を述べており、ルネサンス期に憧れています。

そこでギルは気付くのです。仮に過去に留まっても、いずれ別の時代に憧れるようになることに。

”現在”って不満なものなんだ。それが人生だから。

結局、アドリアナとはそこで別れることになります。

 

現在に戻ったギルは、ポールと浮気をしていたイネスと別れます。ポールの浮気はヘミングウェイに知らされます。実はギルは自分をモデルに小説を書いていたのです。ヘミングウェイから「良い小説だが、主人公が婚約書との浮気を見抜けないのはおかしい」と一点だけ指摘されます。

婚約者と旅行中にもかかわらず、男友達と行動していることで推して知るべしですが、ギルはヘミングウェイの言で初めて気づくのでした。

 

イネスと別れた後、有名なシェークスピア・アンド・カンパニー書店などをぶらつくギル。まだ1920年代に未練があるようにも見えます。夜の橋上で出会ったのが、古物商で働くガブリエル。彼女と出会うことでパリに、そして現在を生きていくことに決心がついたのでしょう。

2人は雨のパリを「傘をささずに」歩いていくのでした。

 


意図されていたのかは不明ですが、メタ的にも面白い映画でした。

ガートルード・スタインを演じるは、ミザリーの怪演で知られるキャシー・ベイツ。彼女に小説の内容のチェック依頼とは、なかなか恐ろしいシチュエーションですねw

1890年代に留まることを懇願するアドリアナ。インセプションで、マリオン・コティヤール演じるモルが、コブに虚無に残ることを迫ったシーンがフラッシュバックしました。

 


洒落た雰囲気、人生を肯定するテーマ、ちょっとしたコメディとすべての要素が最高でした。

一部登場した文化人の名前がわからなかったので、教養があればもっと楽しめたのではないかと ちょっと残念。近代芸術をもっと勉強しよう…。

管理人のおすすめ度は文句なしの:☆☆☆☆☆ 5/5点!!