週に一本は映画を観よう!
今回は2014年に公開された映画、「インターステラー」の感想です。
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※管理人が鑑賞したときは無料で公開されていましたが、無料対象は定期的に入れ替わるため注意してください
これぞSF映画
オールタイム・ベスト!!!
実は、公開時に劇場でも鑑賞しましたし、リバイバル上映も観に行きました。BD,サントラも持っています。そう、私はインターステラーが大好きなんです!
そんなインターステラーが、なんとAmazonプライムビデオの無料視聴に来たということで、BDを持っているにもかかわらず再々々…視聴。
やっぱり何度観ても良い。
最初に観に行ったきっかけは「ブラックホールの描写がすごい」という前情報から。もちろん描写の素晴らしさはさることながら、ストーリー,描写,ハンス・ジマーのBGM、何をとっても☆5点でドハマリしました。
↓ 以下、作品のネタバレを含みます。
いつもの映画感想のように構文建てて述べることも放棄し、インターステラーの何が素晴らしいかを列挙していきたいと思います。
1.登場人物がプロフェッショナル
まず第一にこれ。素人に視聴者目線の役割を担わせたり、場をかき乱させるのも嫌いではありませんが、やはり問題を解決するチームは全員がプロフェッショナルでないと。
怪しげなツールを使用したり、専門用語連発で視聴者を置いてけぼりにしようがカッコいいものは格好いい。007のトンデモアイテムなんか、大人になった今でもワクワクが止まりません。
本当のプロの方から見れば描写がおかしいこともあるでしょう。しかし大切なのはケレン味。「なんか凄そうなことをやってる」感が大事。
2.宇宙への憧れ
本作の監督クリストファー・ノーランは、「インターステラーは 2001年宇宙の旅に影響を受けた」と語っています。
宇宙ファン垂涎の描写の連続に圧倒されます。物理学者キップ・ソーンが監修のもと、本作のヒロイン(?)カー・ブラックホール「ガルガンチュア」やワームホールの描写は物理的根拠を伴ったものとなっています。
初見でのワームホール描写の衝撃は今でも忘れられません。ワームホールから抜けた先、ほっと一息ついた間もなく訪れるのは、誰も知らない宇宙に来ちゃった感。
宇宙はそこにただ単に存在しているだけ。人間がドカドカ乗り込んでいった先で てんやわんやしていることの滑稽さが、宇宙SF映画のある種の共通項となっていますが、インターステラーでは それがさらに大きく感じられます。
夜が明るくなり、相対的に宇宙が暗くなった昨今。しかし、宇宙への憧れと恐れは普遍の感情なんだなと本作で改めて再認識。
農場牧歌的な雰囲気、役目を終えているにもかかわらず飛行を続けるドローン等と、終末の描写も素晴らしいですね。人類が将来を どこか諦めている悲壮感が直接的な説明がなくともガンガン伝わってきます。
3.TARS
出典 www.slate.com ※これはCASEです
AIはかわいい。最近のSFものでは定番。
TARSも例に漏れず、お可愛いです。が、それだけには留まらないのがTARS君。海軍仕込みの皮肉とユーモアで、緊迫した状況でも こいつが居れば何とかなりそうな気になります。
最終的には、クーパーに相棒とまで言わしめますね。
マン博士が孤独から凶行に走ったのも頷けます。こんな感情豊かな話し相手がいなくなると押し寄せる孤独は半端ではないでしょう(KIPP君がどのような感情設定だったかはわかりませんが)。
機能全振りの無機質なデザインもたまりません。
4.BGM
本作を傑作たらしめているのは、BGMの影響も大きいでしょう。
クリストファー・ノーラン監督の名パートナーとしても知られる作曲家ハンス・ジマー。
彼の音楽性は多岐に渡りますが、本作では どこか不穏さを感じさせるテーマが特徴的です。かといっておどろおどろしさはなく、神秘的で”宇宙”というテーマ性にマッチしています。
シーン跨ぎでもBGMが連続しているのも本作の特徴ですね。そのため 比較的地味な描写が続く前半部でも、独特な箔が生まれて退屈な画とはなりません。
5.”愛”
男女愛、親子愛。愛は次元を超える!!
ハードSFが下地としてはあるものの、インターステラーの描かれるテーマは”愛”。
クーパーからは「科学者の放漫」と揶揄されますが、ブランド教授のプランBも 計画者の人類への博愛からくるもの。
「あいつはただの女の子じゃない。俺の娘だ」
これほど愛を感じる台詞はあるでしょうか。人類を救うのが、自分たちではなく愛娘。そのために死を厭わず役割を託す無償の愛に、何度観ても感涙を禁じえません。
ラストシーンで、自分よりはるかに年上になったマーフ。父親と過ごした時間より、その後の人生の方が遥かに長くなっているものの、親子の絆に何ら変わりはありません。
マーフだけでなく、長男トムとの親子の絆も見逃せません。宇宙に旅立つ日、無言の抱擁のあと何気ない会話。男同士はこうでないと。
トムは父に託された農園を律儀に守り続けます。それは ある種の呪いのようであって、結果的に彼と彼の家族の健康を蝕むのですが。最終的にクーパーの重力メッセージによって、人類だけでなくトムも束縛から解放されたことが伺えます。
6.希望を感じさせるラスト
ハッピーエンド最高ですね。
全ての問題がオールクリアされたわけではないものの、「なんとなく良い方向に向かっている」。これだけで良いんです。視聴後感がまったく異なり、コーヒーに入れるミルクの量まで変わってきます。
インセプションのようにヤキモキするエンド、ファニーゲームのような胸糞映画も嫌いではありませんよ。
幼少期マーフ役はマッケンジー・フォイ。世界を救う才女の片鱗と、年相応のあどけなさが見事に表現されていました。
マッケンジー・フォイは『くるみ割り人形と秘密の王国』でディズニープリンセスに抜擢されましたね。
大人になったマーフはジェシカ・チャステイン。芯の強い女性を演じさせれば、右に出るものはいません。
『オデッセイ』では、マン博士役のマット・デイモンと再共演。
本作でもっとも印象に残ったのは、やっぱり主人公クーパーを演じたマシュー・マコノヒー。クーパーはプロフェッショナルで冷静沈着、ちょっぴり人当たりは悪いけれど、確かな責任感と能力を備えています。
水の惑星から帰還後、溜まったメッセージを通読する表情演技はお見事!毎回もらい泣きしてしまいます。
たまに ご都合主義、展開についていけない という意見も見られますが、SF映画はこれで良いんです!
物語の整合性なんて 些末な問題。文字通り次元を超えた親子愛。そして描写される宇宙の圧倒的なスケールに打ちひしがれよ!!!
絶対絶対おすすめの大傑作。またリバイバル上映しないかな。
管理人のおすすめ度:☆☆☆☆☆ 5/5点
管理人の正直レベルは100%ですので、未視聴の方は是非!
穏やかな夜に身を任せてはいけない。
たとえ老いても、終わりゆく日に燃えたぎり、怒るのだ。
怒れ、怒れ、消えゆく光に怒れ。