アニメ化も大成功のうちに終わった、『1日外出録ハンチョウ』の最新刊5巻を読みました。
現在 管理人が最も続刊を楽しみにしている漫画のひとつです!
ネタバレを含みますので、未読の方は注意してください。
第32話「汁浸」
沼川の食べ方をきっかけに、大人の拗ねに発展するエピソード。
相変わらず食事がうまそう!トンカツを食べたくなりました。ただ自分で作ると衣がパサパサでこれじゃない感が出てしまうんですよね、、w
第32話「汁浸」より引用
沼川はトンカツに添えられたキャベツを、味噌汁に浸して食べるのでした。大槻も言っていましたが、確かに不味くはないでしょうが、急にやられたらビックリするかもしれません。
ここでも石和のサイコパス がさつな一面が垣間見えます。自分のやり方を咎められるって、すごく傷つくのわかります。薫…!!!
それをきっかけに、30を超えた大人の拗らせ拗ねが始まるのでした。
いやー、身につまされる内容でした。沼川ほど露骨ではありませんが、自分でも 自身の不平不満を、不機嫌な態度で伝えようとしてしまうときがあります。そして、一度はじめた以上 中々 素直に戻れないことも。
「椅子に座らない」「ゴミを取り上げ自分のポケットに入れる」など、当てつけのような行為…! 相変わらず作者の観察眼は素晴らしいです。わかります わかりますw
ここまでやると、ますます後戻りできません。急に謝ろうもんなら これまでの自分の行いが急に恥ずかしいもののように感じますからね。
一夜明けても怒りが収まらない沼川に対し、大槻は 大人の対応をします。こういうとき、拗ねられた側も同じように意地になってしまいがちですが、人生経験豊かな大槻はさすがの大人の対応。
落とし所を見つけるのがうまいですね。味噌汁の件を言葉にすると、沼川の立つ瀬がないことを大槻は理解しています。
しかし…、おい薫!!!!
「どうなっとるんだ お前のツボ・・・・!」(by 大槻)
カラオケでバラードを歌う気遣いはできても、やはり石和は石和…w 幸いアニメではその片鱗が垣間見えることなく終了しましたが、これらのエピソードが映像化されたときの未読組の反応が楽しみです。
最終的に熱い男 宮本の本気泣きで、大団円となりました。大人の感情拗らせには、さらに大きな感情をぶつけるのが最善なんでしょうねw
大人になると、誰もが感情を露わにすることを恥と感じてしまいがちです。「大人の対応」では感情を表に出すことは悪い風潮があります。
しかしグループに一人でもこういった役回りがいると、非常に楽でしょうね。黒服と債務者という立場の違いはあれど、この4人組の仲の良さには本当に憧れます。
(余談)
おまけの もう一つのオチでも良かったかもしれませんねw
第33話「宮誕」
次話は そんな熱い男 宮本の誕生日回。
第33話「宮誕」より引用
宮本は30歳、大槻は40代、沼川,石和は30代半ばと 年齢はバラバラ。にもかかわらず非常にバランスの良い人間関係です。
最年下の宮本が気を遣ってしまいそうな年の差ですが、立場の違いという力関係差が良い塩梅なんでしょう。
さて、やはり帝愛は大企業。30歳にもかかわらず、宮本は随分良い部屋に住んでいます。観葉植物に間接照明、さらに来客に合わせ 複数のウェルカムドリンクを用意しておく気遣い、などできた人間です。
中間管理録トネガワの描写を見るに、帝愛では年齢より能力主義が徹底されているのでしょう。若くしてリーダー格につく宮本の有能さが伺えます。
さて肝心の食事とはいうと、餃子パーティー!!!
実際の食事はもとより、皆で餡を皮に包んでいる間も楽しいですよね。気の合う仲間と駄弁りながら同じ作業に没頭する。久しく体感してない感覚です…、
木村の家に押しかけた話もそうでしたが、良い大人が大学生のように誰かの家に集まるって、仕事をしていると中々実現が難しく憧れます。
最後にベランダで、皆で花火を眺めます。さすがに夜景を眺めるときは、宮本もサングラスを外すようですw
Secret baseは、今の20代から30代にかけての夏の切なさを物語る上で欠かせないファクターですね。夏の終わりが切ないのは共通感覚なんでしょうか。大人になってからはそのような感覚が鈍っているため、やはり8/31 夏休みの終わりとリンクしているように思います。
第33話「宮誕」より引用
このSecret baseが、次話で こう繋がるとは、このとき管理人も大槻も予想だにしていなかった……!
第34話「時駆」
時駆(ときかけ)で良いんでしょうか?
まさかまさかのエンドレスエイト、あるいはビューティフルドリーマー。
落ちとしては、上作品と同じく 非日常から逃れたくない執着と、それでも戻らなきゃいけない葛藤がベースとなっています。
最初数ページ読み進めたとき、本当にファイルが壊れて、同じ話を繰り返し読んでいるのかと思いましたw
是非 映像化してほしいエピソードですね。
大槻が流れを変えるため、あえて餡にキャベツに足さなかったとき、宮本が黙々とキャベツを切り出したシーンで笑いましたw
第35話「美夢」
タイトルもそのまま、美夢(ビューティフルドリーマー)。まさかまさかの3話構成。
石和が この時間軸から抜け出したくないことが、ループの原因とされます。
第35話「美夢」より引用
「今が楽しければ・・・・ いいじゃないですかそれで・・・・・・」(by 石和)
わかります、わかりますよ石和!!
これまでのエピソードでは感情がいまいち読めなかった、石和の本心が垣間見えた貴重な回でした(結果的に夢オチだったので本心かどうかは不明ですが)。
さてさて エピソードの骨子とオチが読者の共有認識になっている上で、ループからの脱出法はというと、理外のソーラン節…!!
多少 強引にも感じますが、ハンチョウはこれで良いんです…!
ちょっとホロッとしながらも、結局やってることはドス汚いですからねw
後編につづく…!